このブログで嘘をつかないと決めていること

プロになったと名乗れるようになった今、あらためて自分に強く決めていることがあります。
それは、このブログでは「嘘をつかない」ということです。

「プロ」という肩書きはとても強い影響力を持っています。言葉ひとつで人の行動を変えられるし、誰かの練習方法や考え方に影響を与えることもできる。だからこそ、少し盛った話をしてしまえば、それは簡単に“正解”のように受け取られてしまいます。
それが怖い。だから、このブログでは絶対に嘘をつかないと決めました。

ここで言う「嘘」とは、事実をねじ曲げることだけではありません。
強く見せること。
分かっているふりをすること。
成功している側の人間を演じること。
それらすべてを、私はこのブログの中ではやらないと決めています。

私はPERFECTのプロテストに合格しました。けれど、それは「強くなった証明」ではありません。「スタートラインに立った」という事実でしかない。大会実績はまだありませんし、結果を出している選手たちと同じ場所に立っているとは、正直まったく思っていません。

それなのに、もしここで
「プロとして教えます」
「これが正解です」
「この練習をすれば必ず上手くなります」
と言い切ってしまったら、それはもう嘘になる。

だからこのブログは、指導ブログでも、攻略ブログでもありません。
「プロの入口に立った一人の競技者が、何を感じ、何を考え、どう迷っているのか」
その記録であり、言語化の場所です。

ダーツ界には、とても多くの“分かりやすい言葉”があります。

・才能があるかどうか
・センスがあるかどうか
・これさえやれば上手くなる
・この練習は無駄
・プロは別次元

こういう言葉は、聞く側にとって楽です。答えをもらった気になれるから。でも実際には、そんなに単純な世界ではありません。練習は積み重なり方が人それぞれ違うし、伸びるタイミングも違う。環境も体調も、年齢も、メンタルも、すべてが絡み合って結果が出る。

それなのに、断定的な言葉で語ってしまうと、それは「嘘に近い簡略化」になります。
私はそれをしたくありません。

そしてもうひとつ、嘘をつきたくない大きな理由があります。
それは、脳梗塞を経験したことです。

体の感覚がズレて、今まで当たり前にできていたことが一瞬でできなくなりました。
歩くこと、投げること、バランスを取ること。
「自分は大丈夫」「自分はまだやれる」という感覚が、あっさり崩れました。

この経験で強く思ったのは、
人間は簡単に弱くなる、ということです。
だからこそ、言葉だけは誠実でありたいと思いました。

元気なふりをしない。
強いふりをしない。
回復しているふりをしない。
自信満々なふりをしない。

今の自分の状態を、そのまま書く。
それが結果的に一番価値のある記録になると信じています。

このブログでは、実績を盛りません。
調子が悪い日は悪いと書きます。
迷っている時は迷っていると書きます。
不安な時は不安だと書きます。

それは「弱さの公開」ではなく、「競技者としてのリアル」だと思っています。

プロになったからといって、すべてが分かるわけではありません。
むしろ、分からないことのほうが増えました。

なぜ勝てないのか。
なぜ再現できないのか。
なぜ練習でできたことが本番で出ないのか。
なぜ自信が揺れるのか。

そういう問いを、誤魔化さずに書いていく。
それがこのブログの役割です。

このブログは「答えを与える場所」ではありません。
「一緒に考える場所」です。

だから、読者の方に約束します。

・プロだからといって上から語らない
・結果が出ていないことは、出ていないと書く
・自分に都合のいい切り取りはしない
・誰かを見下す表現は使わない
・不安定な状態も、途中経過も、すべて残す

これが、このブログで嘘をつかないということです。

「プロの入口から見るダーツの世界」というタイトルは、まさにこの姿勢そのものです。
完成者の視点ではなく、通過点の視点。
上から見下ろすのではなく、横に並んで見る視点。

ここに書いてあるのは、成功談ではなく、途中の記録です。
自慢ではなく、思考のログです。
理想論ではなく、現実と格闘している途中の言葉です。

このブログは、強く見せるための場所ではありません。
正直でいるための場所です。

それが、プロになった今、
私がいちばん大切にしたいことです。

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